香川句会報 第 9回(2011.08.20)於、サンポ−トホ−ル高松

<今月の一句>

一夏の指紋 散弾かも知れぬ 市原 光子
蓮池の蕾にふれてゆくものぞ 亀山祐美子
梔子や十日の赤子抱いて出る 小山やす子
ぽんぽんダリア指から落とす昼の月 久保 智恵
滴りやまっすぐな木に囲まれて 河野 志保
撫子は可憐な花よ川流る 木しげ子
蟻の道歩く少年兵の月 豊原 清明
太陽はいつも新し草ひばり 野崎 憲子
舌平目またの名靴底(クッゾコ)なり炎天 野田 信章
輪廻する黒猫すいっと昼寝覚 増田 天志
浮力あり夏鴨一羽ぼうぼうと 矢野千代子
人馬一体ひだりへ傾ぎ夏の逝く 若森 京子





蓮の香に誘われて、午前中は、小雨のぱらつく中、栗林公園へ蓮見吟行に行って来ました。
公園北門から入り、右手に聳える紫雲山に迎えられ蓮池に直行、蕾あり、咲きかけあり、
満開あり、蓮の実あり、まさに今が見頃の蓮の群生を楽しみました。
池の縁に亀の子が首を覗かせているのも可愛かったです。
増田天志さん、初参加ありがとうございました。作品も鑑賞も刺激的でした。これからも
どうぞよろしくお願いいたします。

<吟行参加者の一句>

盆の水押し上げてゐる亀の首 亀山祐美子
おいおいおい此の蓮見んで何処へ行く 小山やす子
紅蓮の中に白蓮のぞきけり 木しげ子
狂言の奥に紅蓮の蕾あり 野崎 憲子
風呼ぶは透けてゆくこと蓮の華 増田 天志


<袋回し句会の一句>

「無花果」 無花果の葉裏に軍艦を忘れ 増田 天志
「手」 手のひらの口へゆきけり赤とんぼ 亀山祐美子
「赤とんぼ」 こもれ日に一つ増えたる赤とんぼ 木しげ子
「水」 水あめの中に私の夏の海 小山やす子
「ペ−ジ」 月光に薄目をあけるペ−ジかな 野崎 憲子




  




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