香川句会報 第11回(2011.10.15)  於、サンポ−トホ−ル高松

<今月の一句>

赤も黄も秋のスピード窓を拭く 河野志保
桃すすり日暮れはおごれる無神論者 小山やす子
晩学やこの内モンゴルの星屑よ 久保 智恵
コスモスを離れしは誰かくれんぼ 木しげ子
角のない男が溶けて寒鴉 豊原 清明
ひらり黒猫十月の街角は雨 野崎 憲子
噴井あり一語一語に秋闌けて 野田 信章
侍が路を譲りて日本晴れ 古澤 真翠
花すすき墓前に残る水たまり 増田 天志
僧兵よプリプリこんにゃくまっかっか 矢野千代子
頭脳というやつ厄介なもの鬼やんま 若森 京子
釣瓶落としきっぱり一行削除せり 市原 光子
人間の羽化の始まる月の下 亀山祐美子






高松駅前散策から高松城(玉藻公園)へ

<菊人形>
武者烟り手足冷たき菊人形 小山やす子
菊の香や人形の眼のくすっくす 野崎 憲子


<鉄路>
あとじさる鉄路背高泡立草 小山やす子
鉄路なり日本民族てふマグマ 野崎憲子



午前中の吟行は、高松駅周辺の散策のあと、近くの高松城(玉藻公園)へ行きました。
土曜日の駅前広場には、修学旅行生の一団や、サンポ−トホ−ルで開かれる研究会のプラカ−ド
を持った学生さん、携帯電話を見ているお遍路さん、ベビ−カ−を押すお母さんなど、色んな人々
が行き交い、とても賑やかでした。

高松城は、天正16年(1588年)生駒親正が築城に着手し、生駒家4代54年間、松平家11代228年間
(初代は水戸光圀の兄松平頼重)にわたり居城した城跡の一部で、お堀に海水を引いた日本で只
ただ一つのお城だそうです。お堀に棲む鯛の餌箱が欄干の傍に置いてありました。
天守閣は今修復中で外からは見えませんでしたが、見事な老松の下にはあちこちに可愛い茸が顔
を覗かせていました。
毎年恒例の菊花展は準備中で、ほとんどの花が蕾の状態で並んでいました。時折風に乗りほのか
な菊の香が漂ってきました。満開の頃はさぞやと思います。これからが楽しみです。


ちぎれ雲ひとつ頬ばり秋の駅 野崎憲子

  




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