香川句会報 第12回(2011.11.19)<「海程」香川句会発足1周年記念句会>  於、サンポ−トホ−ル高松

<今月の一句>

念仏ほど素直になれず冬の薔薇 小山やす子
麦飯や方舟見えてわたしみえて 久保 智恵
湯冷めしてレプリカのモナリザの前 涼野 海音
藪柑子風を探しに出かけたり 木しげ子
張りつめた弓の先から大枯野 野崎 憲子
踏絵見て空見て海鼠噛んでいる 野田 信章
雲海や錦織り成す比叡山 古澤 真翠
冬銀河やたら耽美な兵士たち 増田 天志
みずひき草握手のために少し話す 宮崎 斗士
時雨くる禿びた箒は快活 矢野千代子
秩父紅葉首汚れしまま寝落つ 若森 京子
ガラス窓響くほど晴れ冬林檎 市原 光子
飛蚊症着地点に竜の玉 稲葉 千尋
鬼の子の空ぬりつぶす笑ひ声 亀山祐美子
枇杷咲いてみんな発車待ちの顔 河野 志保




お蔭さまで、昨年の11月19日に「海程」香川句会を立ち上げてから一年がたちました。
ひとえにご参加各位のご投句の賜物だと深く感謝いたしております。
一次句会である事前投句のさらなる充実と共に、サンポ−トホ−ル高松での生の句会を通して「海程」の自由で
猛烈に熱い句会の渦を香川の地に・・という思いは高まるばかりです。
今は小さな水輪のような句会ですが、一回一回の句会を大切に前へ前へと進んでまいります。
俳句は世界最短詩であり、飛躍する言葉であり、人そのものです。「歓びはすべて飛躍のうちにあり」であります。
興味を持たれた方は、ご遠慮は無用です、句会場へおいでください。お目にかかれるのを楽しみにしています。
これからが本番です。

一周年記念句会に久々のご参加で華を添えてくださった宮崎斗士さん、涼野海音さん、初参加の稲葉千尋さん
ありがとうございました。これからもどうぞ宜しくお願い申し上げます。



「海程」香川句会発足1周年記念吟行句会(参加者の作品より)

冬の水窪ませアシカ笑ひをり 亀山祐美子
逃げ出せぬ水の悲鳴や冬の霧 亀山祐美子
冬ざるるアシカの喉の奥が見え 小山やす子
霧早し海月の息と呼応して 小山やす子
小春日の空をみてゐるアシカかな 涼野 海音
霧晴れにけり往診の黒鞄 涼野 海音
蛸つぼに蛸一つずつ冬来たり 木しげ子
冬の雨アシカの藝に拍手かな 木しげ子
冬の虹あんまり川をにごすなよ 野崎 憲子
サンタクロ−スの海老も躍るよ霧の中 野崎 憲子



記念吟行はあいにくの雨の中でしたが、吟行地の屋島山上は、まるで深山の中・・私たちを濃霧ですっっぽり包みこんでくれました。
神々しいような幻想的な道の奥に新屋島水族館はありました。
水族館では、ホワイトソックスと呼ばれる真っ赤な海老君がサンタクロ−スのような風情で忙しそうに泳ぎ回っていました。
雨の中、アシカショ−も行われ、アシカ君たちの可愛い仕種に、水槽の周りは拍手の渦でした。楽しい水族館でした。
午後の句会は、サンポ−トホ−ル高松に場所を移し、涼野さんも参加され、事前投句の合評や二次句会を楽しみました。


  

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