香川句会報 第13回(2011.12.17)於、サンポ−トホ−ル高松


 


<事前投句参加者の一句>

軟膏たっぷり冬すみれの黄昏や 久保 智恵
螺子を巻きすぎて壊れた冬の空 柴田 清子
椿落つ庭に小石の燃えており 高木しげ子
冬鴎女性の健康な笑顔 豊原 清明
猪も鴉も素足ひかり巻く 野崎 憲子
地に赤ちゃんポスト双子座流星群 野田 信章
兄弟で浮き世をかたる鍋囲む 古澤 真翠
雲の筋肉太らせるユリカモメ 増田 天志
掻巻きの中は小春日 猫になる 侑  海
乱読のほとりにしぶく冬茜 矢野千代子
三山しぐれる喉ごしの半兵衛麩 若森 京子
鳥獣語ひくく繰り枯野人 市原 光子
棒で描く三角ベース鳥渡る 稲葉 千尋
千年の獄舎の深さ冬木立 亀山祐美子
冬林檎少女リルケを読みふける 小山やす子



<第二次句会参加者の一句>

<銀>
銀狐振り向くことをためらへる 柴田 清子
銀食器並べ聖夜の薪爆ぜる 亀山祐美子

<落葉>
かれ落葉二つはなれず仲むつまじく 高木しげ子
去る時の落葉悲しく舞い来たる 侑  海

<手帳>
透明な手帳をひらく除夜の鐘 野崎 憲子
サンタクロース黒皮の手帳落とす 亀山祐美子

<赤>
天空を飛び出す赤い兎かな 野崎 憲子
赤鬼の越えて来さうな寒の海 亀山祐美子

<高松駅・玉藻公園にて>
常盤木の寿ぐ春が玉藻城 侑  海
行く先の決まらぬ冬のプラットホーム 柴田 清子
風花や誰も知らない私の忌 小山やす子
鉄屑がやたら輝く冬の鵙 小山やす子



今年の高松駅前は恒例の大聖樹のイルミネーションも無く、少し淋しげな風情でした。しかし、潮風のなか、冬の日は、さんさんと照り注いでいました。
今回は、地元から、柴田清子さん、侑 海さんの初参加がありました。事前投句の合評の後、吟行句を中心とした袋回しも、それぞれ
の俳句観がぎらりと光る発言の応酬で、会場は大いに盛り上がりました。
お蔭さまで、明るい希望のなかに、2011年の句会を締めくくることができました。ありがとうございます。
来年の初句会は1月21日、高松の氏神さまである石清尾八幡神社吟行から始まります。句会案内をご覧の上、奮ってご参加ください。
それでは皆さま、佳いお年をお迎えください。
 


 

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