香川句会報 第14回(2012.1.21)於、サンポ−トホ−ル高松


 


<事前投句参加者の一句>

龍鱗は炎と透ける冬の雲 増田 天志
竜の落し子逆さに蒼いたねをさん 若森 京子
龍よ箸包ほどいてあげる鳴きなさい 矢野千代子
雪だるま竜神の珠うちに秘め 古澤 真翠
黒龍の如き凍湖に一閃光 侑  海
薩摩びと息する山が先生だ 漆原 義典
切り株に静かな父情どんど焼き 小山やす子
海鼠より昏きものありおびただし 小西 瞬夏
自粛など出来ぬ鳩等の糞落し 豊原 清明
数の子の美味なり風が吹いている 木しげ子
一月の梢のやうな妹よ 柴田 清子
冬青藻肉(しし)のうねりの此岸です 野田 信章
ひなたぼこ地球に添ひ寝してをりぬ 亀山祐美子
帰り花青い鉛筆やわらかし 久保 智恵
隠れたり出たり寒月あかるい子 河野 志保
四条烏丸あたりで目玉煮凝れり 市原 光子
水仙や雨の向こうに誰かいる 野崎 憲子



<第二次句会参加者の一句>

二次句会の参加者は八名、それぞれがお題を一つずつ出して袋回し句会を行いました。

<八幡>
帆をあげて初夢をゆく八幡丸 野崎 憲子

<町>
珈琲が呑みたい冬の町が好き 柴田 清子

<冬波>
冬涛を縦に斜に夫婦舟 小山やす子

<梅>
梅ふふむ無口なをとこ捨ててきし 亀山祐美子
吉みくじ梅の蕾が痛みます 小山やす子

<春隣>
頬杖の隣りに春のやって来る 柴田 清子

<寒>
寒波来るイチゴジャムにはイチゴの絵 涼野 海音
目鼻口寒九の町へ流れ込む 亀山祐美子

<鼻>
冬スミレ地球の鼻でありにけり 野崎 憲子
「ピノキオ」の鼻伸びてゐる炬燵かな 涼野 海音

<山茶花>
香り立つ山茶花やさし絹の音 侑  海
山茶花の白生き方を変へられず 柴田 清子


今年の初句会は、久々の雨の中でした。
午前十時、石清尾八幡宮の随身門をくぐり、階段を登れば、堂々たる構えの本殿や拝殿が建ち並び
さすがは高松の氏神さま、身の引き締まる思いがしました。
神社の脇にも参道が続き、4,5分歩くと蜂穴神社という神錆びたお社に着きました。
辺りには椿や蝋梅の花が咲き乱れ、木々の芽吹きは、春の訪れを待ち構えているようでした。
吟行参加者は六名、記念碑の漢文をすらすらと読んで説明してくれる仲間や、脇道を教えてくれる
仲間もいて、とても頼もしかったです。
一時間余りの吟行の後、地元で人気の「さか枝うどん」で昼食をとり、午後の句会へと向かいました。
すばらしく「ごっつあん」な味でした。
午後の句会は午後一時から、侑海 さんと涼野海音さんも参加され、事前投句の合評の後、袋回し句
会を楽しみました。句会終了の四時半があっという間に来てしまいました。
漆原義典さん、初参加ありがとうございました。これからも、どうぞ宜しくお願い申し上げます。



 


 

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