<事前投句参加者の一句>
龍鱗は炎と透ける冬の雲 |
増田 天志 |
竜の落し子逆さに蒼いたねをさん |
若森 京子 |
龍よ箸包ほどいてあげる鳴きなさい |
矢野千代子 |
雪だるま竜神の珠うちに秘め |
古澤 真翠 |
黒龍の如き凍湖に一閃光 |
侑 海 |
薩摩びと息する山が先生だ |
漆原 義典 |
切り株に静かな父情どんど焼き |
小山やす子 |
海鼠より昏きものありおびただし |
小西 瞬夏 |
自粛など出来ぬ鳩等の糞落し |
豊原 清明 |
数の子の美味なり風が吹いている |
木しげ子 |
一月の梢のやうな妹よ |
柴田 清子 |
冬青藻肉(しし)のうねりの此岸です |
野田 信章 |
ひなたぼこ地球に添ひ寝してをりぬ |
亀山祐美子 |
帰り花青い鉛筆やわらかし |
久保 智恵 |
隠れたり出たり寒月あかるい子 |
河野 志保 |
四条烏丸あたりで目玉煮凝れり |
市原 光子 |
水仙や雨の向こうに誰かいる |
野崎 憲子 |
<第二次句会参加者の一句>
二次句会の参加者は八名、それぞれがお題を一つずつ出して袋回し句会を行いました。
<八幡>
<町>
<冬波>
<梅>
梅ふふむ無口なをとこ捨ててきし |
亀山祐美子 |
吉みくじ梅の蕾が痛みます |
小山やす子 |
<春隣>
<寒>
寒波来るイチゴジャムにはイチゴの絵 |
涼野 海音 |
目鼻口寒九の町へ流れ込む |
亀山祐美子 |
<鼻>
冬スミレ地球の鼻でありにけり |
野崎 憲子 |
「ピノキオ」の鼻伸びてゐる炬燵かな |
涼野 海音 |
<山茶花>
香り立つ山茶花やさし絹の音 |
侑 海 |
山茶花の白生き方を変へられず |
柴田 清子 |
今年の初句会は、久々の雨の中でした。
午前十時、石清尾八幡宮の随身門をくぐり、階段を登れば、堂々たる構えの本殿や拝殿が建ち並び
さすがは高松の氏神さま、身の引き締まる思いがしました。
神社の脇にも参道が続き、4,5分歩くと蜂穴神社という神錆びたお社に着きました。
辺りには椿や蝋梅の花が咲き乱れ、木々の芽吹きは、春の訪れを待ち構えているようでした。
吟行参加者は六名、記念碑の漢文をすらすらと読んで説明してくれる仲間や、脇道を教えてくれる
仲間もいて、とても頼もしかったです。
一時間余りの吟行の後、地元で人気の「さか枝うどん」で昼食をとり、午後の句会へと向かいました。
すばらしく「ごっつあん」な味でした。
午後の句会は午後一時から、侑海 さんと涼野海音さんも参加され、事前投句の合評の後、袋回し句
会を楽しみました。句会終了の四時半があっという間に来てしまいました。
漆原義典さん、初参加ありがとうございました。これからも、どうぞ宜しくお願い申し上げます。