<事前投句参加者の一句>
春近し駅のざわめき曼荼羅絵 |
侑 海 |
駅長の拾つて来たる雀の巣 |
涼野 海音 |
桃の駅しずくのような最終便 |
若森 京子 |
レクイエムは桜の駅を降りてから |
小山やす子 |
始発駅雑踏三月十一日 |
亀山祐美子 |
以下略のあたりに傾ぎ蕗のとう |
市原 光子 |
初孫が啓蟄前に飛び出たよ |
漆原 義典 |
青い空落下球を受け止めて |
豊原 清明 |
水温む太字ボールペン暴走す |
柴田 清子 |
パラパラと雨の落ちます春の海 |
木しげ子 |
かたつぶり強い握手は憎しみです |
矢野千代子 |
三月をゆらし骨の匂いの海 |
小西 瞬夏 |
限りなんて決めないでいて春の風 |
古澤 真翠 |
田鶴三月蛙声(あせい)に粉う夜なりけり |
野田 信章 |
蜘蛛の巣のまこと春雪より鮮か |
久保 智恵 |
花へんろ雲になるまで髪を梳く |
増田 天志 |
金剛の言の葉蔵す椿かな
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野崎 憲子 |
<第二次句会参加者の一句>
春の宵うとろうとろと時を食む |
侑 海 |
春霞矛の先より島生まる |
増田 天志 |
鍵盤の黒の島々冴返る |
亀山祐美子 |
海に立つ赤灯台は母の目だ |
漆原 義典 |
前日からの雨も上がり、春一番の吹くなか、午前中は、高松港の突端にあります赤灯台へ吟行に行きました。
吟行の参加者は、小山やす子さん、漆原義典さん、柴田清子さん、亀山祐美子さん、木しげ子さんと私、
そして、今回は岡山の小西瞬夏さん、大津の増田天志さんが加わり、総勢八名での吟行となりました。
赤灯台への遊歩道には霞がたなびき、まるで海上の道を歩いているような、幻想的な雰囲気でした。
午後一時からは、侑 海さんも参加され、事前投句の合評の後、午前中の吟行句を中心に、熱い句会を展開しました。