香川句会報 第16回(2012.3.17)於、サンポ−トホ−ル高松


 


<事前投句参加者の一句>

春近し駅のざわめき曼荼羅絵 侑  海
駅長の拾つて来たる雀の巣 涼野 海音
桃の駅しずくのような最終便 若森 京子
レクイエムは桜の駅を降りてから 小山やす子
始発駅雑踏三月十一日 亀山祐美子
以下略のあたりに傾ぎ蕗のとう 市原 光子
初孫が啓蟄前に飛び出たよ 漆原 義典
青い空落下球を受け止めて 豊原 清明
水温む太字ボールペン暴走す 柴田 清子
パラパラと雨の落ちます春の海 木しげ子
かたつぶり強い握手は憎しみです 矢野千代子
三月をゆらし骨の匂いの海 小西 瞬夏
限りなんて決めないでいて春の風 古澤 真翠
田鶴三月蛙声(あせい)に粉う夜なりけり 野田 信章
蜘蛛の巣のまこと春雪より鮮か 久保 智恵
花へんろ雲になるまで髪を梳く 増田 天志

金剛の言の葉蔵す椿かな

野崎 憲子
友達が来たよパンジーふぞろいに 河野 志保
   



<第二次句会参加者の一句>

波・波・波・蝶・舌・幻・春・吐息 小西 瞬夏
鬼ヶ島ぽりぽり春の雨がふる 野崎 憲子
彼岸太郎カモメはカモメらしくなり 柴田 清子
春の宵うとろうとろと時を食む 侑  海
春霞矛の先より島生まる 増田 天志
衣ずれは沖の白帆と響き合う 小山やす子
鍵盤の黒の島々冴返る 亀山祐美子
海に立つ赤灯台は母の目だ 漆原 義典
沈丁花かたき蕾の見えてきし 木しげ子
   
   
   



前日からの雨も上がり、春一番の吹くなか、午前中は、高松港の突端にあります赤灯台へ吟行に行きました。

吟行の参加者は、小山やす子さん、漆原義典さん、柴田清子さん、亀山祐美子さん、木しげ子さんと私、

そして、今回は岡山の小西瞬夏さん、大津の増田天志さんが加わり、総勢八名での吟行となりました。

赤灯台への遊歩道には霞がたなびき、まるで海上の道を歩いているような、幻想的な雰囲気でした。

午後一時からは、侑  海さんも参加され、事前投句の合評の後、午前中の吟行句を中心に、熱い句会を展開しました。

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