香川句会報 第18回(2012.5.16)於、サンポ−トホ−ル高松


 


<事前投句参加者の一句>

天の戸を開ける雷夏の鍵 侑   海
セシウムや鍵のない国に住みおり 稲葉 千尋
ささゆりは合鍵のよう氷上郡 若森 京子
鍵握るYの遁走 夜もみどり 市原 光子
紫陽花のうしろを通る鍵師かな 木しげ子
短夜の鍵音紙の音人間 野田 信章
洗いたてのエプロン有袋類よろしく 久保 智恵
狛犬の口角上がる青葉かな 亀山祐美子
香の花ならわかつてくれさうな 柴田 清子
金環食のたうち歩く夏の牛 野ア 憲子
炎昼静かにわたくしの反乱 小西 瞬夏
古墳(いたすけ)の途中まぶしきすいかずら 矢野千代子
薄衣 ババロア揺れる散歩道 古澤 真翠
夕河鹿皆生き物は諧謔や 豊原 清明
樗今日は左足から歩む 小山やす子
麦畑天まで黄色に染め上げる 漆原 義典



<二次(袋回し)句会抄出>

<逮捕状>
逮捕状出され舟虫おちつかず 亀山祐美子
花茨十七年目の逮捕状 小山やす子
<切手>
嘘ついた数ひき出しの切手ほど 小西 瞬夏
切手貼る霧の底には青大将(さとめぐり) 野ア 憲子
<薄暑>
逢いたさは日昏れの薄暑に似ている 柴田 清子
薄暑かな八栗屋島を海に出て 木しげ子
<罅>
ひびの入るグラス置かれ夏は来ぬ 野澤 隆夫
闇の底ひびを入れたる蟇 亀山祐美子
<忍>
前の世は狐か忍ぶ烏瓜 小山やす子
守護霊はもののけである釣忍 野ア 憲子
<神酒>
あと出しのじゃんけん苦い神酒を足す 小山やす子
神の酒より慟哭が落ちてくる 小西 瞬夏
<夏の海>
夏海に夜の鏡捨てっちまおうか 柴田 清子
苦しいよ母ちやんといふ夏の海 野ア 憲子


<句会メモ>
今回、、高松市の野澤隆夫さんが、初参加されました。このホームページをご覧になってのご参加です。
野澤さん、ご参加ありがとうございました。これからもどうぞ宜しくお願い申し上げます。

徳島からは、小山やす子さん、岡山から小西瞬夏さんも涼やかな単衣の着物姿でご参加されました。
そして地元のベテラン、柴田清子さん、亀山祐美子さんと、個性豊かな面々が顔を揃へ、熱い句会となりました。

事前投句の合評の後、今回は、袋回し句会を開きました。
一人一題提出、制限時間30分で、だいたい、一題につき一人、一句ずつ創って行くのです。
タイムリーなお題や面白い作品がたくさん生まれました。全句掲載できないのが残念です。
来月の吟行では、栗林公園へ蓮見にまいります。ご参加を楽しみにしています!
 


 

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