香川句会報 第19回(2012.7.21)於、サンポ-トホ-ル高松


 


<事前投句参加者の一句>           

右曲りの飛行雲あり夏の月 髙木しげ子
七月の恋は曲者狂詩曲(ラプソディ) 野澤 隆夫
曲らずに行けば明日の入道雲 柴田 清子
田植機は地球に描く太い筆 漆原 義典
夏の空胸の痛みに父がいる 豊原 清明
流れとは誰かのとなり夏の雲 河野 志保
一茶も兜太も身体感覚天の川 若森 京子
風鈴のきれいなにほん語聞く正座 市原 光子
白薔薇は八重九重の天守閣 増田 天志
谷川の渦が離さぬ鬼灯一つ 野田 信章
難聴すすむ捥ぎたて胡瓜丸かじり 稲葉 千尋
濃紫陽花母から貰った糸切り歯 小山やす子
フクシマの真昼の闇や夏怒濤 野﨑 憲子
乱れ飛ぶ蛍の軌跡闇ロンド 侑   海
びしょぬれで堅田へ行かん蛇の衣 矢野千代子
少年期とは不機嫌な素足です 小西 瞬夏
たまゆらの虹の瞳にひとしずく 古澤 真翠
身のうちのもつれる音や茗荷飯 久保 智恵
角尻尾隠し持ちたる黒日傘 亀山祐美子



<栗林公園吟行句抄出>

祭壇は雲へと続く古代蓮 増田 天志
炎昼の始まる場所で咲いている 小西 瞬夏
蓮の香や雲に手が出る足が出る 野﨑 憲子
上手下手下手上手ゆえ雲の峰 柴田 清子
牛蛙蓮池楽団稽古中 侑   海
睡蓮の小さき花びら淡い恋 漆原 義典
睡蓮は水面の明かり家老職 増田 天志
鯉が来てつづいて亀が来て盛夏 柴田 清子
百本の薔薇を焦して海近し 亀山祐美子
はすのはなとりとめのないからだです 小西 瞬夏
蓮池の沖は仏の帰る径 小山やす子
牛蛙ふつと地球の透き間かな 野﨑 憲子
塩蜻蛉(しおとんぼ)すっと止まりぬ蓮の露 野澤 隆夫
蓮ひらく古鏡のくらさ手繰りよせ 小山やす子
黒日傘うみのあをさをあきらめる 亀山祐美子
蝉のなく増えては減りて昼近し 髙木しげ子



<句会 メモ>


午前中は、栗林公園への蓮見吟行でした。
県外からは、小山やす子さん、増田天志さん、小西瞬夏さんが参加されました。瞬夏さんは、今回は浴衣姿。
風に揺れる蓮たちもうっとり見とれているようでした。

お仲間の方々が、園内の花園亭で、私の海程賞の受賞祝いをしてくださいました。感謝感謝です。
微力ですが、「海程」香川句会が、もっともっと熱い句会になりますよう、襟を正して精進したいと思います。
これからも、どうぞよろしくお願い申し上げます。


午後一時から、サンポートホール高松第67会議室で句会を開きました。
事前投句の合評の後、本日の吟行句による句会を行いました。
同じ景色を観て、これほど多面的な作品があつまってくる不思議・・吟行句にみなぎるパワーを感じました。
お一人あたり、5句出句の句稿から抄出させていただきました。
ゾックとするような作品もたくさんありました。

お蔭さまで、来月は、第二十回目の句会となります。
興味のある方は、「句会案内」をご覧になり、奮ってご参加ください。
お待ちしています。



 


 

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