香川句会報　第13回(2011.12.17)

香川句会報　第2１回(2012.９.1５)於、サンポ－トホ－ル高松

＜事前投句参加者の一句＞

『題詠　　鈴　』

鈴虫の豊かな畑に笑ふ月	豊原　清明
鈴を振るようにサドルの露払う	月野ぽぽな
コスモスよどちらを向いても鈴になる	河野　志保
鈴の音やほのと銀河をめくるやう	野﨑　憲子

爽涼の風弾む声登校す	侑　　　海
我一人月に佇む竹の春	佐々木松翠
蚊遣り焚く庭に流るる『わが祖国』	野澤　隆夫
戦慄として唐辛子よく刻む	小西　瞬夏
クレソンやひたひた被曝の波寄せる	若森　京子
この家の昔売ります秋の昼	柴田　清子
函詰めのピーマンたねを氏がぬっと	市原　光子
仁王門うじきんときがあふれます	矢野千代子
花すすき私にくれる友もいて	髙木しげ子
青大将姿勢正してやり過ごす	稲葉　千尋

笑いの間ややありて飛ぶバッタかな	小山やす子
蜩や骨の白さを増すばかり	亀山祐美子

ひとり分つめてくださいいわし雲	久保　智恵
溜息が聞こえたかしら居待月	古澤　真翠

讃岐路やひょうげ祭が実り呼ぶ	漆原　義典
秩父晩夏みみず輪になり棒になり	野田　信章

＜袋回し句会＞

＜九月＞

新学期家広くなる朝九月

侑　　　海

九月第三土曜海に来てゐる

柴田　清子

耳かゆし九月の雲にのれさうな

亀山祐美子

<栗＞

栗ひろいそこここ落ちていたりけり	髙木しげ子
<木霊＞

負数生ふ木霊そびえる稲架襖（はざぶすま）

小山やす子

<狐花(曼珠沙華）＞
狐花ふっと私でなくなって	柴田　清子

空は海海は空なり曼珠沙華	野﨑　憲子
娘似の人振り返る曼珠沙華	野澤　隆夫

<酸橘＞
次は何時会えると聞いて酸橘摺る	侑　　　　海

宇宙語を話す浜辺の青酸橘	野﨑　憲子
＜尖閣諸島＞

葛匂う尖閣諸島遥かなり	小山やす子
尖閣諸島しんから人を怒つてゐる	野﨑　憲子

＜景＞
新涼の水の景より石の景	亀山祐美子

＜新涼＞

＜句会メモ＞
句会に見学にいらっしゃった佐々木松翠さんにも、ご参加いただきました。、鑑賞も素晴らしかったです。
事前投句には、今回から、ニューヨーク在住の月野ぽぽなさんも加わり、ますます熱く楽しい句稿が出来上がりました。
全作品をご紹介できないのが残念です。

徳島の小山やす子さんが、ご自宅のお庭の酸橘を紙袋にいっぱい詰めて持ってきてくださいました。
袋回し句会のお題にもなり、句会がぐんと盛り上がりました。皆さんお土産にいただいて帰りました。
香りも、酸味も、最高でした。小山さん、ありがとうございました。