<事前投句参加者の一句>
『 題詠 : 独楽 ・ 初 』
初蝶の翼ゆっくりたたまれる |
小西 瞬夏 |
自信なき記憶のように独楽まわる |
久保 智恵 |
戦没の兄よ夜明けの独楽廻す |
木しげ子 |
独楽の足くぐっくぐっくぐっと地球割る |
漆原 義典 |
喧嘩独楽石ころ多き村なりし |
野田 信章 |
掌おさまりきらぬ独楽の朱 |
亀山祐美子 |
雪もよひ五重塔は独楽である |
野ア 憲子 |
初富士や阿修羅のごとく今生を |
若森 京子 |
初春やスカーフ色の海ららら |
侑 海 |
初墨の香に腕まくり白楽天 |
古澤 真翠 |
イギリスの茶髪男が独楽廻す |
KIYOAKI FILM |
独楽まわる地べた兵士の這う地べた |
月野ぽぽな |
実南天俺はまだまだ熟さないぞ |
稲葉 千尋 |
しもやけに寝息がぽたり昼の星 |
矢野千代子 |
瞑る噤む塞ぐ地震18年 |
桂 凛火 |
残照や白鳥ぽっと炎え上がる |
増田 天志 |
舞い狂う落葉の中の母柔らか |
小山やす子 |
<袋回し句会>
<火> |
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火を使いホモサピエンスに我は成り |
漆原 義典 |
どんど火やひらり舞ひ出づ湖の蝶 |
野ア 憲子 |
<三寒四温> |
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移り気や三寒四温の海も割れ |
侑 海 |
ランドセルかたこと駆ける四温かな |
野澤 隆夫 |
ぶうぶうぶうちゃっちゃちゃっちゃと冬の駅 |
野ア 憲子 |
<句会メモ>
今年の初句会は、事前投句21名、当日の句会へは6名のご参加でした。
まず、事前投句の合評をし、そのあと、袋回し句会を、4時半まで行いました。
ますます、多様な作品が集まり、合評にも熱が入ります。103句の中からの7句選、
選ぶのは、なかなか大変です。一筋縄では行かない作品が多く「何だコレハ!」と
思わず叫びたくなるようでした。全句掲載できないのが残念です。
袋回し句会も、まさに六人六色、言葉の不思議に時間の経つのも忘れそうでした。
とても楽しい初句会でした。ご参加の方々に、感謝感謝です。
来月も、奮ってご参加ください。