香川句会報 第25回(2013.1.19)於、サンポ−トホ−ル高松


 


<事前投句参加者の一句>

『 題詠 : 独楽 ・ 初 』

初蝶の翼ゆっくりたたまれる 小西 瞬夏
自信なき記憶のように独楽まわる 久保 智恵
戦没の兄よ夜明けの独楽廻す 木しげ子
独楽の足くぐっくぐっくぐっと地球割る 漆原 義典
喧嘩独楽石ころ多き村なりし 野田 信章
掌おさまりきらぬ独楽の朱 亀山祐美子
雪もよひ五重塔は独楽である 野ア 憲子
初富士や阿修羅のごとく今生を 若森 京子
初春やスカーフ色の海ららら 侑    海
初墨の香に腕まくり白楽天 古澤 真翠
イギリスの茶髪男が独楽廻す KIYOAKI FILM
独楽まわる地べた兵士の這う地べた 月野ぽぽな
実南天俺はまだまだ熟さないぞ 稲葉 千尋
しもやけに寝息がぽたり昼の星 矢野千代子
瞑る噤む塞ぐ地震18年 桂  凛火
残照や白鳥ぽっと炎え上がる 増田 天志
舞い狂う落葉の中の母柔らか 小山やす子
風邪寝してユーミンを聴くドイル読む 野澤 隆夫
ユーラシアまで鼻歌で寒卵 市原 光子
「9条」は摘んではならない冬すみれ 河野 志保
マシュマロの息転げでる雪野かな 三好つや子



<袋回し句会>


<大根>
大根がぐつぐつ妻が忍者めく 小山やす子
大寒に大根足が風を舞う 漆原 義典
水たまりばかりを歩く干大根 野ア 憲子
<福>
福招く猫借りにゆく一月尽 亀山祐美子
ウィ−に負けディ−エスに負け福笑 野澤 隆夫
<火>
火を使いホモサピエンスに我は成り 漆原 義典
どんど火やひらり舞ひ出づ湖の蝶 野ア 憲子
<三寒四温>
移り気や三寒四温の海も割れ 侑    海
ランドセルかたこと駆ける四温かな 野澤 隆夫
<蜜柑>
蜜柑焼き子ら翔け昇る高き峰 侑    海
みかん箱ひみつが笑ひころげをり 亀山祐美子
蜜柑山進化している鳥獣語 小山やす子
<駅>
悴むや駅を降りれば句会場 野澤 隆夫
ぶうぶうぶうちゃっちゃちゃっちゃと冬の駅 野ア 憲子


<句会メモ>
今年の初句会は、事前投句21名、当日の句会へは6名のご参加でした。
まず、事前投句の合評をし、そのあと、袋回し句会を、4時半まで行いました。

ますます、多様な作品が集まり、合評にも熱が入ります。103句の中からの7句選、
選ぶのは、なかなか大変です。一筋縄では行かない作品が多く「何だコレハ!」と
思わず叫びたくなるようでした。全句掲載できないのが残念です。

袋回し句会も、まさに六人六色、言葉の不思議に時間の経つのも忘れそうでした。
とても楽しい初句会でした。ご参加の方々に、感謝感謝です。

来月も、奮ってご参加ください。

 


 

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