香川句会報 第28回(2013.4.20)於、サンポ−トホ−ル高松


 


<事前投句参加者の一句>

『 題詠 : 花 ・ 犀 』

真向えばつかえる言葉花筏 桂  凛火
またもテロ桜すみずみまで慄え 月野ぽぽな
花過ぎの岸辺無聊の人行き来 小山やす子
花どきの野島断層誰が弄る 矢野千代子
花終えて海が恋しくなりにけり 柴田 清子
飛花落花異動辞令は赤い紙 漆原 義典
からからとかんから駆ける花吹雪 野澤 隆夫
薄墨の花下ゆっくりとアンブレラ 古澤 真翠
春あらし犀のおしりの動かざる 高木しげ子
春昼や黙がごろんと犀になる 三好つや子
ちぎるときびいどろのおと花菫 小西 瞬夏
ねじ花やひとりわらいの日照雨 野田 信章
春キララ子はごみ箱のアリスとなる  侑   海
春愁とう鍵のかからぬわが個室 市原 光子
泣くまいと思えば菜の花なお揺れる 河野 志保
梅一輪痴呆の父の大声や 稲賀 千尋
ちんちん電車父ゐて子規の好きな月 KIYOAKI FILM
大根の花聞く耳持たぬ漢つよし 久保 智恵
うたたねや草の港に着くここち 若森 京子
風呂敷をひもとくように花水木 亀山祐美子
春の日やテロリストにもお母さん 野ア 憲子



<袋回し句会>


<春鴉>
春鴉今日も朝日を拝み鳴く  侑   海
春鴉壊れたピアノ弾いてゐる 柴田 清子
<喰う・食う>
朧月星を喰って輝けり  侑   海
春疾風命がいのち喰ひにけり 亀山祐美子
<朝寝>
朝寝癖つき水の無い手水鉢 小山やす子
春の夢主人が違ってゐたりけり 柴田 清子
<海>
行く春や海からあがる影法師 野ア 憲子
春鴉ふた組飛べり海の上 高木しげ子
<汐干狩>
いっせいに携帯の鳴る汐干狩 野ア 憲子
汐干狩波の先から与太話 小山やす子
<風光る>
三国連太郎逝った日風光った 柴田 清子
トマコ駆け翡翠(かわせみ)ダイブ風光る 野澤 隆夫
<歩>
花巡り歩き疲れて天龍寺 野澤 隆夫
人間と水除け歩く春鴉 亀山祐美子


<句会メモ>
事前投句は、<犀>の面白い作品が多く、全部掲載出来ないのが残念です。
先日の、ボストンマラソン爆弾テロ事件を踏まえての力作もあり、人間社会の足元を見つめ俳句に詠んで行く
ことの大切さを強く感じました。

袋回し句会は、「なんだ、こりゃ?」というような、ユーモアたっぷりな作品が多く、笑い声の絶えない句会でした。

香川句会は、年11回。「海程」全国大会のある五月はお休みです。次回の六月句会が、今から楽しみです。
ご参加楽しみにいたしております。    ( 野ア憲子記)



            

 


 

inserted by FC2 system